鈴なり星

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無名草子

 

 

女房たちの平安時代版婦人公論「無名草子」を、サロントーク風に現代語訳しています。

 

 

無名草子の成り立ち


作者:藤原俊成女という説が濃厚。
   俊成女と記録されているが、実際は俊成の孫。
成立年:十三世紀始め(1201年ごろ)。俊成女の推定年齢は30才。

父・藤原盛頼が、同母兄成親(なりちか)の起こした鹿が谷事件に連座して失脚した為、彼女は母方の祖父である俊成の娘の扱いを受けていました。
俊成に溺愛されていた為、彼女の生きているうちから「俊成女」と言われていました。
1192年に源通具(みちとも。当時従五位上因幡守)と結婚。
6年後の1198年。二人の子供に恵まれ、穏やかに暮らしていた俊成女家族に大きな変化が起きます。土御門天皇の即位とともに、外祖父になった(夫の父)通親を手助けしていた兄の通宗(みちむね)が、蔵人頭になった直後、31才の若さで急死したのです。通具は兄の代わりに父の地位を磐石とするために、土御門天皇の乳母・信子と親しくなり、ついには正妻とし、俊成女と離婚しました。
穏やかに暮らしていた夫婦の、政略的ともいえる離婚。そんな中での「無名草子」の執筆。おそらく、自分自身を通して文字を書くことによって、女性の生き方を確かめようとしたのではないでしょうか。


無名草子のあらすじ


このお話は、桃源郷のような場所にふらりと迷い込んだ老尼と、さるお屋敷に集まっていた数人の女房たちが、座談会形式で色々ネタ出しして語り合うというものです。
月明かりのもと、とある屋敷に集まった数人の女性たちが、源氏物語をはじめとする文学作品や実在の人物の生涯を、様々な角度から論評しつつ、真に豊かな人生とは何かを考えてゆきます。
訳中では、数人の女房に勝手に名前をつけました。
また、老尼の発言の大部分を女房に語らせました。理由は、
「バーサンが悟ったような口調でウンチクたれるより、若い衆に勝手にしゃべらせたほうが作ってて楽しい」
からです。


無名草子 登場人物の紹介

 

 登場人物 老尼     : 桃源郷に迷い込んだ人
小侍従の君  : さるお屋敷の女房たち
右近の君   :   〃
中務の君   :   〃
少納言の君  :   〃 



無名草子 現代語訳 目次(完結)

 

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