鈴なり星

平安古典文学の現代語訳&枕草子Web小説のサイト

狭衣物語62・東宮の恋心に横槍を入れたい狭衣

「何とまあ大将殿。皆があこがれてやまない高貴な一品宮を北の方に持ちながら、まだご不満がおありと見える。ほほう、こんな人目につかない場所で、いわくありげな手紙をこそこそと眺めておられるとは」大げさな声で権大納言がわめくのを、狭衣はそ知らぬ顔…

小夜衣50・兵部卿宮の立太子と関白大殿の号泣

帝の退位にともない第一皇子の東宮が即位しました。次の新しい東宮には、兵部卿宮以外適当な人物が見当たらなかったので、特に反対の声も上がることなく兵部卿宮が立たれました。まだ正式ではありませんが、小夜衣の姫はとうとう東宮の妻と言える立場になっ…

第24段・ムカ男、三年目の帰還

昔、たいそうな田舎にムカ男が住んでいました。ある時ムカ男は宮仕えをすることになり、長年慣れ親しんだ女と別れて都にのぼることになりました。そしてムカ男はそのまま3年も音沙汰なく、女はほったらかしにされたまま。女はムカ男の「必ず戻るよ」の言葉を…

狭衣物語61・東宮、宰相中将の妹姫へ淡い恋慕

さて、現東宮である若い一の宮(母は坊門上と堀川大殿の娘)には、元服の夜の添い伏しからそのまま麗景殿を賜った右大臣の娘ただ一人が女御としてあがっている。この女御はたいそう年上なので、遊び相手としては少々気づまりだと東宮は思っていた。そんなと…

古今著聞集・飲食7 637~641段

637段 泰覚法印の食物の詠歌四撰 歌人藤原季経が三井寺の泰覚法印に瓜を届け、「大般若経の写経をお願いします。お代はこの瓜で」とウリと料紙を寄越して写経を依頼した。法印の返しは、「なめみつる五つの色のあぢはいもきはだの紙ににがくなりぬる(瓜は大…

古今著聞集・釈教3 37~39段

37段 行基上人、昆陽寺を建立する事 僧行基は病に苦しむ人々を救済するため有馬の温泉に向かった。温泉の医療効果と清潔を保つことが健康につながる事を調査するためだったと思われる。武庫(六甲山)の山中まで来た時、病人らしき者が臥しているのを見た。…