鈴なり星

平安古典文学の現代語訳&枕草子二次創作小説のサイト

2023-02-11から1日間の記事一覧

小夜衣12・逢いたいのに逢えない悲しみ

その後も、両親の目や関白家の監視がきびしい事もあり、東雲の宮は山里の家を訪ねることが出来ないのでした。けれど、お手紙だけは絶えず差し上げるので、山里の家でも、「来てくださらないとはいえ、愛情が途絶えたわけではなさそうですが、でも…」と気を揉…

小夜衣11・もう逃げられない三日夜餅

さて、東雲の宮と関白家の二の姫とのめでたい婚礼に世間が大騒ぎしていた頃、ただ一人、女房である宰相の君だけが、小夜衣の姫のことを案じていました。(世間がこれだけ大騒ぎしているのだもの、来世までもと誓った殿方が、身分のつり合った権勢の家の姫と…

古今著聞集・変化2 593~597段

593段 承平元年6月、弘徽殿の東欄に変化の事 承平元年(931)6月28日午後2時頃、衣冠束帯姿の鬼が弘徽殿の東の欄干のほとりに現れ、消えていった。身の丈3mもあるかと思われるほどの大鬼が、白昼堂々と後宮の中心部に現れるなど、現実のこととも思えない。…

古今著聞集・変化1 588~592段

588段 人をたぶらかす変化(へんげ)にだまされない事 変化(へんげ)や妖かしのモノたちは、際限なくその姿を変え、見る者の心を惑わす。従って、如何に摩訶不思議を見せつけられようとも、決して信じてはいけないのだ。 589段 仁和3年8月東松原に変化が出…