大納言はさっそく動き始めました。先触れせずに民部少輔の家を訪ねたのです。「おかしい。いつもの方違えでは必ず事前に連絡が入るのに、ご訪問が突然すぎる」家主の少輔はどれほどあわてたことか。対する大納言は、顔色を失ってもてなしをする民部少輔をじ…
本院に到着した斎院は、自分がこれから後ずっと住むことになる本院を改めて見渡してみた。広かった堀川邸とは違う、ひっそりとした住まい。幼いころから馴染んだ堀川邸の広大な庭の木々や池はもう見られないのだと思うと、たまらなくさみしい気持におそわれ…
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