嵯峨院にさっそく参った中納言典侍は、朝の勤行に専念している入道の宮のいる御堂に向かった。返事があるとは思えないが、とにかくお見せすることだけはしなければ。ようやく昼ごろ、入道の宮が文机で硯をお取りになったついでに、狭衣からの手紙をそっと置…
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