鈴なり星

平安古典文学の現代語訳&枕草子二次創作小説のサイト

2023-04-16から1日間の記事一覧

小夜衣35・東雲の宮、妻への遅すぎた真心

どこがどうとはっきりしないまま、二の姫の病状はどんどん重くなっていきます。意識不明になることもたびたびあり、ご両親の関白大殿と母君は心配で心配でなりません。「非常に強い物の怪の仕業かも知れぬ」と高僧を大勢召しだして祈祷を行わせても、出てく…

小夜衣34・冷え切った東雲の宮夫妻、すれ違いの果てに

さらわれた対の御方が東雲の宮を想って重いため息をついている頃、東雲の宮はどのように過ごしていたでしょうか。もちろん、片時も対の御方を考えない時はありません。どうやら按察使大納言の妻である今北の方が、今回の失踪に関わっているらしい…とはいえ、…